「なんか、案外いい加減な人なんだ海斗さんって」
「いい加減じゃないの!寛容なの!懐が広いの!」
「………」
「あ!なんだよその目!バカにしてんな!?」
延々続きそうな二人の会話を呆れつつも見ていたら、ふと上着のポケットのケータイが震えてるのに気づいた。
取り出してディスプレイを見れば、紅志の名前。
「わぉ!岡崎さんから初電話!」
なんて言いながら通話ボタンを押した。
「はいはい、歌夜で~す」
明るく答えた私の耳に聞こえたのは超低音ボイス。
「お前らどこにいんだ……?いつまで待たせんだよ?」
「う……」
やっべー、お怒りだよ……。
「か、海斗!海斗!!」
「何?!」
私は、登と白熱したバトル(?)を繰り広げてる海斗に声を掛けた。
そしてケータイを指差しながら。
「てっ、帝王が、お怒りだよ!マジハンパなく!!」
「……やべぇ」
海斗は心底ヤバいって顔して、私からケータイを取り上げた。
「ごめん紅志!今行く、すぐ行く、百万馬力で行くから!!」
ひゃくまん……なに?