僕は、市立高校に通っている普通の男子高校生。友達も人並みにいて、彼女もいる。もちろん、今の生活は嫌いじゃない。でも、少し刺激が欲しいなと考えたりもする。高望みをしても、いい事はないだろう。

ある日の出来事だった。彼女と普通に下校していた。彼女と別れた時だった。

僕は嫌な予感がした。
彼女の身に何かあったんじゃないのか。
悲鳴が聞こえた。
間違いなく彼女の声だ。
声のする方へ行くと彼女がお腹から血を流しながら倒れていた。
「由紀!?由紀!?」
閉じていた目をうっすら開け、僕を見た。
「そ…空くん…?」
「話すな!救急車呼ぶから待ってろ!」
そう言うと、彼女は目を瞑った。

急いで救急車を呼ぶ。
救急車が来るまでの時間が凄く長く感じた。



あの時、救急車が早く来ていれば、僕が、彼女をきちんと、家まで送っていれば、彼女は死なずにすんだのに…