「まぁ、でも家も近いしさ…ちょっと会える期間いつもより短くなるけど会えないことはないし」



頭が追いつかない俺をよそに話を続ける咲



「俺も…」





「へ?」





「お、俺もそこの高校行こうと思ってた……」





「えっ?!
こっから一番近いK高校に行くんじゃなかったの?」




だって、それは咲が行くだろうと予測してた高校だから。

まさか、名門高校に行くなんて選択しないだろうと……




「き、気分が変わったんだよ」



嘘。
咲が俺のいないところで他の男と仲良くしてるのなんて想像したくないから。


見張ってないとなんねぇし。




「そ、そうなんだ…
じゃあ!一緒だね!!
千里もそこの高校受けるらしいよ!」





「げっ…」



咲が千里と呼ぶそいつは、


橋本 千里。


俺の嫌いな女だ。


性格が悪いというか腹黒いというかー
とにかくあいつが咲の親友ってのがありえん!!

まぁ、嫌いな理由の大半として挙げられるのは橋本が俺が咲に恋してることを知ってるから。



鋭いのか知らんけど、何故かバレて……
弱音を握られた感じで嫌いだ。