高校生になってまだ数ヶ月しか経ってない俺らだけど、咲に好きな奴ができるのに時間はかからなかった。



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「こんにちわ!」

初めてあったのは小学校の時だったはず。

たまたま席が隣同士になった俺ら。


「こ。こんにちわ」



「これ、名前なんて読むの?」



その時から明るかった咲は超フレンドリーだった。



「高野 翔太 ‐takano syouta‐」



「翔太くんかー!あ、翔太くんって、もう一人いたよね。
あそこの」


もう、その子とも友達になったのか一番前の席の男の子に視線を向けた咲。



「たしか、そうだと思う」



「なんか、同じって分かりにくいなー
あ、あっちは翔太くんって呼ぶねって約束しちゃったから君は翔ちゃんって呼ぶ事にする!」



「しょ、翔ちゃん?」



「うん!いいでしょ?翔ちゃん!」


ニッと笑うその瞳を見ると断るという選択肢がなかった。



「う、うん…!」



「やった!よろしくね!」