相変わらず彼女はこうした初々しい反応をするんだけど、もういい加減3か月も経つんだから、そろそろ慣れてほしいんだよね。


「衣里って呼ぶからね。衣里も俺のことも史弥って言ってよ」

「無理無理!呼べないよ」

「なんで」

「名前なんて、恥ずかしいし……」


ベンチの右端に座る彼女の腕を掴み、こっちに引き寄せた。


「もういい加減さ、恥ずかしがるのやめてくれない?中学生じゃないんだからさ。

そのたびに結構俺、傷ついてんだよ」

「ごめん……」


「確認だけど、俺らって付き合ってるんだよね?」


衣里が頷く。


「なんだか丸尾くんが彼氏っていうのが、未だに実感わかなくて。

私もこういうのって初めてだし、なんとか嫌われないようにとは思うんだけど……

ほら、丸尾くんって結構女子とも仲良くしてるじゃない?」


焼きもちか?


「小学生の頃から一緒の女子とかもいるから、普通にそういう子とは話したりはするよ。

もちろんそれは友達としてね。好きとかそういうことはないよ。

それともなに?俺のこと信用ない?」