「名菜ごめん、変な事聞いて」

「……わたしはいく兄の方が好きだよ。

だっていく兄はわたしとゲームしてくれるし。

今日だってね、ふみ兄せっかく早く帰ってきてるのに、全然遊んでくれないの」


……ほんとにできた妹だ。


「……ねえ名菜、ほんとはどうなの?」

「うんとね、どっちも好き!」


名菜はそう言って俺の背中にまたがった。


「いく兄は今日から馬になりました!

タイフーンポークと名付けましょう!さあ走るのよ!」


……ポークって豚肉じゃねえか。


空気を読んだのかはわからないけど、こいつは俺が求めていた答えをわかっていたんだ。


小学生の妹に気を遣わせるなんてな。


「で、お助けマンは何をしてくれるの」


「わからないから明日松川さんに聞いてみる!

だけど松川さんは老人だし、意味不明な事いうから期待はしないでね。

それよりこないだのゲームの続きしようよ」


なぜか名菜は松川さん推し。若い頃には教師をやっていたそうだ。


「それなら最初から松川さんにお助けマンをやってもらうよ」

「だめ!松川さんは車椅子だから役に立たないよ」


……おいおい、失礼なやつだな。