「……最後にもう一度だけ、私を抱いてよ」

こんなことじゃないかと思っていた。そう、亜季が忘れられないのは俺の身体だ。


ずっと快楽を愛情と勘違いしていることに、どうして気がつかないんだ。


「……できないよ」


「私のことなんて考えなくていいから!何にも考えなくていい!

最後に抱いてくれたら……私はもう史弥に執着しない」


小さくため息をついた。亜季を抱いたらほんとにもう俺は開放されるのだろうか……


教室の隅まで亜季の腕を引き、着ていたワイシャツを脱いだ。


「史弥……」


廊下に人が通ってもすぐに見つからないようにするため、教卓を陰にして窓側で亜季を押し倒す。


「後悔しないでね。亜季が言い出したんだから」


亜季が目をつぶった。