「なんで衣里がいいのかって聞かれても、
ごめん、はっきりと答えることはできない。


それでもただ、一緒にいたいって思うんだ。

……ほんとは付き合っているのだって隠さないで、堂々と一緒にいたいんだけどさ。


ねえ、それだけじゃだめ?理由がないと、安心できないの?」



理屈や理由は抜きにして心のままに素直に従うと、衣里の隣にいたいって思う。


だけど衣里は違うのかな。

俺はどうして彼女を不安にさせているんだろう……


「私だって丸尾くんと一緒にいたい。

ごめんね、私が悪いんだ。好きって気持ちが大きくなるほど、同じくらいに不安も募るの。


今でも夢なんじゃないかって思うんだ。

こうして現実に丸尾くんが側にいてくれているのに、おかしな話なんだけど。


でもこんな私が浮ついた気持ちでいると、いつか丸尾くんが私の隣からいなくなるんじゃないかって……」