「ルナ、先に日本に帰るんだろ?」

「俺らと一緒に行けばいーのにな」

「ルナー、変な男に会ったら僕を呼んでね?
そいつ、殺してあげるから」

「少しはなれっけど何かあったらすぐ連絡しろよ!べ、別に心配とかじゃねーけどよ!」


『何それ。たった半年でしょ?心配しすぎ』

そう言って、ルナという少女は少し笑った。

それだけで、その場にいた周りの者は頰を赤く染めた。

「ねぇ、今頰を染めた周りのバカ共殺っていい?」

そう言った、男にしては小柄な黒髮の美少年は、可愛い顔に似合わずその眼を鋭くし、空港内のこちらを気にしていた客を睨みつけた。

「陸、お前可愛い顔が台無しだぞ」

ニヤニヤしながらそう言った男は、派手な金髪で、かなり顔が整っていた。

「は?何?お前死にたいの?サルの分際でよく僕にそんなこと言えたな」

陸にとっての可愛い類の言葉は禁句だ。

「はぁー?てめっ陸!ふざける「はーいそこまで!」…あ?」

「陸も大河もここ、空港だってこと忘れてないよね?」

金髪の男…大河の言葉を遮ったのは黒髮で、目が透き通るようにキレイな蒼色の美青年、聖だ。

「「チッ」」

大河も陸も聖を怒らせると後が怖いと知っていたので不機嫌ながらも黙った。

「はぁー。全く、響も止めてくれないかな」

聖がそう言いながら見たのは、銀髪の、目つきが悪い他の3人と同様に顔がかなり整っている男だ。

響は興味なさそうに「るせーな」と一言言った。だが、その目線は1人の男と話しているルナに向いていた。



「ルナ、向こう着いたら連絡しろよ。
つか、用がなくても連絡はしろ。」

そう言ってルナに喋りかけている男は、最初に喋らなかった、本当に綺麗な顔の男だった。
ダークブラウンの髪を遊ばせていて、眼は髪より明るい茶色。
アーモンド型の眼で、その瞳はとても愛しそうにルナを見つめていた。

『ええ。奏、みんな…行ってくる』

その言葉を聞いた5人は一瞬驚いた表情をしたものの、すぐに嬉しそうな顔になり、複雑な心境をしながらも彼女を見送った。