窓際の一番後ろの席。

そこでいつも日向ぼっこしているみたいに、
寝ているのが“たまくん”だ。

栗色のふわふわの髪が日に当たるとすごく綺麗で。

それをこっそりと見るのが私の最近の日課。

彼は、“たまくん”こと、椎名 環くん。

あだ名は、たま。

たまくんと仲がいい男子がそう呼んでいるのを聞いた。

名前からきただろうそのあだ名は、たまくんにぴったり。

なんてゆーか、彼は猫っぽいから。


「希ー々っ」

「わわっ!祐ちゃん・・・」


私を抱き込むようにして、顎を私の頭の上に乗せているのは、祐ちゃん。

花枝 祐ちゃん。

私の大好きな大好きな親友だ。


「もお、希々は可愛いなあ。持ち運びたいくらいだよぉ」

「えっ・・・なんかそれ怖いよ、祐ちゃん」

「あはは。・・・で、また見てたの?」

「う、うん。まあ・・・」

「どこがいいのかねえ、アイツの」


どこがかあ・・・

ん──、猫っぽいところ・・・?