「……え?」

いま、なんて……いったの?
す……き?

「どうして?」

兄妹。それは越えられない壁。

「…………」

なんにも答えずただ私を見つめてくる。

そして、また、
──────ドキドキするんだ、その瞳に










私は何も言えず、ただこのドキドキしてる気持ちにフタをしようと必死だった。
気づかないふりをしていただけかもしれない。けどこれ以上気持ちを大きくしてはいけない。

そんな気持ちと葛藤してる間に

「わかってる。ダメなことくらい。だからさ…………」

そういってお兄ちゃんは黙ってしまったんだ。





あぁ、お兄ちゃんはずっとずっと我慢してきたんだ。それくらい私にだってわかった。


そう思った私は自分の気持ちにフタをするのはやめた。




「ねぇ、おにいちゃん────」