「おはよう、カルアちゃん!って………あれ?どうしたの?」



教室中から向けられる好奇の目線に耐えかねて飛び出そうとすると、ひとり、いつも通りの人がいる。


「……アキ、どうして」


「え?何が…って………みんな、どうしたの?」


鞄をきちんと背中に背負い、カルアに好奇の目線を寄せる人たちを見渡すのは、アキ。


一か月前に、隣の町から引っ越してきた男の子だ。


「………カルアちゃん、何かしたの?」


「…何もしてないよ」


そして、少し抜けているひとだ。