正直、自分でも何が何だかよくわかっていない。


ただひとつわかるとすれば、このままいつも通りの生活を続けていたならば、二十日後の消滅は免れないということ。


「そう、覚えているならいいわ…今日から二十日間がタイムリミットなの。貴方は気が付けなかったのだから、頑張って愛する人を探しなさいね」


少し冷たい母親の言葉。いつも通りとは言えども少し寂しい。


とりあえず学校へと向かわなければ、と母親に返事をしてから思う。


お手伝いのひとが作ってくれた朝ご飯を食べて、カルアは鞄を片手でつかんだ。


聞けば、シトルイユ家の掟は町でも知っている人が多いらしく…今まで仲良くしていた友達も知っていたのかもしれない。そんなことを考えながら支度を整え、片手につかんだ鞄を無造作に引っ張る。


その様子を母親に見とがめられ、注意された。


「もう少しおしとやかにふるまいなさいね」



「…はーい」