「なに目的でそういうこと言ってるわけ?俺別に席替えにそこまで興味無いんだよね。」


「なんか悪い 朝陽。」


多分、私に気を使ってくれたんだと思う。
渡瀬君はちらっと私を見た。


「…ありがとう」


「気にすんな。」


渡瀬君って何考えてるのかよくわからないけど、

絶対言えることは、優しい ってこと。


バスケ部の男の子達が、私にもごめんなって言って申し訳なさそうに笑う。


強い人間でありたい。


私はなんか惨めな気持ちになったのを悟られないよう、俯いた。