誰も知らない世界一のお姫様

「こいつは俺のだ。お前なんかやるものか」



私は驚きを隠せなかった


人に抱きつかれるとパニック障害がおきて気絶していたのになぜか落ち着く


この力強い腕に鍛えられた体


その匂いまでもが私を落ち着かせてくれた



「おい!美麗亜に抱きつくな!気絶する!」



私は決めた


この人から、裕樹から離れたくない


私はそっと裕樹の腕から離れ前にでた
「美麗亜?」


「美麗亜やっぱ最高だわ!帰ろう!」



そうやって笑う悠太


でも、目は笑ってない


帰ったら殴られる


すぐに、分かった



「うん!じゃ帰ろう、裕樹!」



私は裕樹の方を向いて笑顔で言った



「何を言っているんだ!美麗亜!」


「いい加減にしろよ。人をもてあそんどいて。悠太様が、、、お前が彼女を殺した!私の一番大切な人を!絶対に許さない。お前の顔なんか二度と見たくない!」



私はずっと溜め込んできた思いを爆発させた



「美麗亜!俺にそんな口叩いて良いと思ってんのか!」


「お前なんかいらない。死ねばいいのに」



私は狂ったようにひどい言葉ばかりを発していた
私たちはそのまま帰った


家に荷物を運んでくれたみんなはすぐに帰っていった



「美麗亜」



静まり返った部屋に急に呼ばれた声にビックリして体が跳ねた



「なに?」


「俺、美麗亜が好きだ」


「裕樹、でも私汚れてるし舞祭組だしなんの得もないよ?」


「それでも、美麗亜が好きな気持ちは変わらねー」


「ありがとう、裕樹。実はね、恥ずかしいんだけど」


「どうした?」


「私も裕樹好き!」


「美麗亜、俺と付き合ってください」


「はい!」



こうして私たちは付き合うことになりました
あれから一週間がたった


土日以外、裕樹はどこかへでかけてる


スーツっぽいけどスーツとも言えない服装で


朝、8時になると家をでていつも夜の10時すぎに帰ってくる


私は気になりあとを付けた


途中で和毅さん達と合流している


そして、辿り着いた場所


大きくて綺麗な建物だった


その建物に入っていく人たちはみんな同じ服装をしていた


その建物の方を見ていると裕樹を見失ってしまった
裕樹を探していると人溜りができているところがあった



「キャー地雷(じらい)様よー!」


「キャー裕樹様かっこいい!」



裕樹、その名前に反応し無意識に人混みの中注目の的まで辿り着いていた


私の姿を一番に見つけたのは彌さんだった



「裕樹、あれ」



みんなが私の方を見る



「美麗亜!なんでここに!?」


「裕樹!」



私はすぐに裕樹に抱きついた


すると、周りからは刺さるような視線を浴びた


私は怖くなり裕樹の後ろに隠れた



「美麗亜、なんでここにいるんだよ」


「もしかして、俺に会いに来たの?」



和毅さんチャラすぎ



「いえ、違います。裕樹、ここどこ?いつも同じ時間に居なくなるから嫌いになったのかなって思って不安で気づいたら後をつけてた」


「跡を付けてたのは美麗亜ちゃんだったの!?」



一谷さんはすごい驚いた顔をしていた
「ごめんなさい。不安で」



私は俯くことしかできなかった


すると、どこかから聞き覚えの声が聞こえた



「美麗亜?」



私はゆっくりと顔をあげた



「やっぱり美麗亜だよな!久しぶり!覚えてる?」



そこにいたのは叔父さんの



「晋太(しんた)」


「おぉ!覚えててくれたか!!」



晋太は、小さい時から夜中に私を連れ出して庭で良く遊んでいた仲だ



「でも、なんでここにいるんだ?」
「すみません、晋太さん。付いてきてしまって」


「付いてきた?どゆことだ」


「私、西宮財閥と縁を切ったの」


「なに!?」


「それで、今は裕樹の家にいる」



私はあったことを全て話した


晋太は、何も言わずに聞いてくれた



「美麗亜、なら家くるか?美麗亜の部屋もそのままにしてある。それに、これから学校に通ってみてもいいんじゃないか?」


「学校?」


「勉強したり、友達作ったり楽しい所だぞ」


「うん、、、でも、裕樹といたい」



今は離れたくない


裕樹とずっと一緒にいたい


そう思えたのは初めてだ
「美麗亜、それじゃこいつに迷惑かかるだろ?」


「迷惑じゃないです。寧ろ、美麗亜と一緒にいたいです。美麗亜は俺の女ですから」



晋太は、驚きすぎて声もでなかった



「わかったよ、但し、美麗亜を少しでも傷つけてみろ。ただじゃおかねーからな。後、美麗亜の意思なしに襲うなよ」



襲う?確か、ハレンチなことをすることだっけ?



「まだ、我慢はできてます」



えっと、確か男の人は欲求?があるんだっけ?


それで、好きな人とすることだよね?
「いいよ」



急に発言した私の言葉にみんなの頭の上には?がいっぱいあった



「襲ってもいいよ?」


「おい、美麗亜!何言ってるんだ!どういうことかわかってるのか!?」


「ハレンチなことでしょ?小説によく出てくるし、それに、、、」



黙り込んでしまった私に裕樹は優しく声をかけてくれた



「どうした?」


「毎日、されてたから」


「はっ!?誰にだよ!」


「悠太と、、、お父様」



悠太ならまだ理解ができる


でも、お父様という言葉に驚いしていた