「裕樹、助けに来てくれてありがとう」
裕樹は、優しく抱きしめてくれた
「裕樹、約束、叶えようか」
「美麗亜って本当にばかなのか?」
私はわからず首を傾げた
裕樹は小さくため息をついた
「そういうのはプロポーズして決めるもんだろ」
「美麗亜、俺ちゃんと美麗亜を幸せにする。だから、、、僕と結婚してください」
「もちろん!」
私たちはその夜一つになった
美麗亜は、俺だけのお姫様だ
美麗亜がいなくなったあの時から決めてた
「裕樹くん!美麗亜ちゃんいないから遊ぶ人いないでしょ?一緒に遊ぼう!」
「やだ。僕はここを出てく」
「そんなことしちゃだめなんだよ!」
「だから、なに」
俺はあの後すぐに施設を出て街をうろついた
強くなりたくて大人と喧嘩して
負けて悔しくてグレていた
その時、地雷の5代目総長からオファーをもらった
「お前、一人なのか?」
俺は無視して他のところへ行こうとした
「おい、待てよ。帰るところあるのか?」
「ねーよ」
「なら、うちこいよ。うちで生活すればいい。そして、地雷に入れ」
「なんで地雷」
「俺、今地雷の総長やってるんだ」
「入る。そして、次は俺が総長になる」
「お前、気にった。名前は」
「裕樹」
「よろしくな、裕樹。俺は猶也(なおや)だ」
これで美麗亜と会える確率が高くなった
どこでなにしてるかもわからない美麗亜と
早く会いたい
猶也の家に向かってると途中でばかでかい家があった
中からは泣き声が聞こえる
美麗亜の泣き声に似ていた
でも、確信はない
顔を見たわけじゃないから
俺がその家の前で止まってると
「最近、ずっと泣き声が聞こえるんだ。前はまったく聞こえなかったのに」
「それいつから?」
「一週間前ぐらいかな」
美麗亜がいなくなった時と同じだ
「たまに、誰かを読んでるようだった。ひろきって人を待ってるみたいだぞ。お前と名前同じだな」
俺はそこで確信した
早く総長になって迎えにいかなきゃ
俺たちは帰った後、今までのことを話した
「裕樹、俺がお前を強くしてやる。俺に勝てるようになったら総長にしてやる。女待たせんじゃねーぞ」
「ありがとう」
それからバイクの乗り方、喧嘩の仕方、いろいろ教えてもらった
あれから早10年が立ち
俺はやっと総長になった
地雷7代目総長
5代目が抜けた後は6代目が喧嘩を教えてくれた
やっと迎えに行ける
そう思ったがもうあの家からは泣き声なんて全く聞こえなくなっていた