「それさ、絶対由乃(ゆの)のこと好きだよね」



「……いや、でも、うーん」




箸の先端を私の方にクイッと向けて断言するのは、クラスメイトで友人の冬華(ふゆか)。


名前の通り肌は白くて、髪の色素が薄い。
一部の男子からは白雪姫とか言われてるらしい。


ただ、冬華は全くといっていいほど自分の恋愛に興味がなくて、男勝りでガサツだ。



いわゆる、残念な美少女。



もったいなさすぎて、わたしもそろそろどうしようかと思ってる。





「好かれる要素がないっていうか、

そもそも新島って特定の女の子作らなさそうだし…」



「由乃にあって気が変わったんだよ!いやあ、長年他人の恋愛みてきたアタシがいうんだから絶対だよ。新島は、アンタに気がある」



「そ、そうなのかな」




確かにそういう風にとれる一面もある。
だけどやっぱり納得はできなかった。




だって私は、とりわけ美人でもないし、運動ができるわけでもないし、どちらかといえば静かで、教室の隅で数人と笑いあっているタイプだ。



新島が好むような、チャラチャラした女じゃない。