本当に、
新島は、わかりやすすぎる。
「ねえ新島」
「……ん」
「…返事、は?」
不安げに問いかけると
新島が
また少しだけ、腕をきつくしめた。
「……俺も好きです。
……ずっと好きだった」
ああ、嬉しい。
全身を駆け抜けるみたいに、
好きが溢れる。
「たちばな」
「…うん」
「お、俺と、…付き合って」
「…うん」
この時の、
私は本当に馬鹿だった。
何も考えないままに
今この瞬間だけの幸せに囚われて
だってまだ、
なんにも知らない新島のこと
全部信用することなんて
できるはず無かったのだから。