暴言を吐いて、
私は彼に背を向けて歩いた。


走り去ることもできたけど、
そんなことすれば、まるで本当に私だけが光のことを好きで、あんな光景をみて、辛くて逃げだしたみたいじゃない。


そんなのは、私の意地とプライドが許さなかった。





堂々と、凛と、
まるであんたのことなんか本気じゃなかったよって示すみたいに

歩いて見せた。




そんなことしたって、なんの意味もないってことわかってるくせに。





「__い、ゆの__!」




彼がどんな顔で私を呼んだのかは知らないし
知ろうとも思わない。




そして、彼こそが、女癖の悪い男が
心底嫌いになった原因でもあった。