光が初めてできた彼氏だった。
私にとっては何もかもが初めてで
そんな私を光はいつも余裕な笑顔で見つめてた。
手を繋ぐのも、家に行くのも、キスをするのも
すべてが未知なものばかり。
光は私にいろんなことを教えてくれた。
大好きだった。
だから、
光が他の女とキスをしているのを見た時は
嘘かなにかかと思った。
まるで焦点が合わない。
なに?だれ?光?
ううん、きっと光じゃない。
だって光は私の彼氏で、
だけどあそこにいるのは確かに光で、
それで、キスしてるのは
私じゃなくて______
「光……」
「___ん、ちょ、光くん誰かこっち見てる」
「……、」
振り向いた光と
目線が交わる。
光の瞳が、大きく開いた。
そして、その口が、
私の名前をこぼした。