「やばいやばいやばいんだけど」


「えっ、ほんとやばくない?」


「まじどうしちゃったのあいつ」



「やばい、超かっこいいんだけどー」






異変を感じ取ったのは学校の玄関先。


トイレ近くで、

先輩やら後輩やら、きゃっきゃと黄色い声をはっしてはしゃいでいた。



けどそれは、女子だけじゃなくて。




「あいつまじどした?」

「心機一転ってやつ?」

「けど今の方がいいよな」

「確かに」



廊下ですれ違う男子も、
なにか、一つの話題で すごく盛り上がってた。




その「話題」は、
わたしが教室に入って 自分の席に座った時に理解した。