部活の準備をしていると
いつも 姉いよの同級生の男が
からかってきた。

「おーい、かよ」

はじめは声をかけて
頂くことだけでも
嬉しかったのだが、、、


「かよかよかよかよ
聞こえてるのー?
おーーい かよかよ」


「なんですか」
あまりのしつこさに、
苛立ちを隠せなくて、
ぶっきらぼうに答えた。


「なあ、俺の事知ってる?」

「知ってますよ」

「じゃあだーれ?」

「伊阪さん」

「したの名前は?」

「わかりません」

「えー 」


それだけ聞くと、
伊阪さんは子犬のような瞳を
床に落とすと
男子の部室に戻っていった。


変わってる人だなあと
思いながらも、
他の先輩達が来る前に
部活の準備をしなければ
いけなかったから
急いで支度をした。