ダメッ…!!!
このままだと統牙が死んでしまう………
そう思ったときには体はもう動いていた。
――ゴンッ…!!!
倉庫に痛々しい鈍い音が響いた。
頭に今まで感じたことのない
鋭い痛みがはしって、そのまま地面に倒れ込んだ。
あたしは咄嗟に統牙の前に飛び出して
鉄のパイプで強く頭を殴られたのだ。
「結実…っ!!!」
愛しい人…統牙の声がする。
よかった……生きててくれて。
「馬鹿な女だ。
こんな奴のために自分が犠牲になるなんて」
「てめぇ…ふざけんじゃねぇぞ…!!」
統牙の怒った声が聞こえてきて、
そこからは名倉の呻き声だけが聞こえてきた。
「っ……お前ら、早く逃げるぞ…!!」
名倉がそういうと、ドタバタッと足音が聞こえてきて
龍極の奴らは去っていったのだと分かった。