「あ…はい」


「ふふっ…、そんな怖い顔しないでも大丈夫だよ。何もしないから」


見た目はバリバリのギャルみたいなのに、すごい優しそうな人。

笑顔も可愛いし…メイクしないほうが可愛い気がするのはあたしだけかな?

余計なこと言って怒らせちゃったらダメだからそれは黙ってよう。


「んで、統牙。コイツはお前のなんなの?」


総長さんが痺れを切らしたようにソファの肘掛をトントンッと人差し指で叩きながら言った。


「俺の大事なやつっす…」


大事なやつ

その言葉にドキッとしたけど、切なさもあった。

だって、あたしたちは付き合っていない。

でも、統牙はあたしにたくさんの愛をくれる。

おかげで空っぽだった心を満たされてきて
最近、人間らしくなってきた気がする。


「遊び人で有名のお前が大事なやつ?」


そんなに遊んでんの統牙って。

まあ、顔がいいから女の子には困らないだろうけど。