おはぎが好きとか、朝は朝食派とか。
ずばりと言い当ててきたのは、ただの偶然……?
もしくは、人の心が読めるとか。
いや、そんなのバカげてる。
「連絡先を教えてから、電話とかメールきた?」
ため息をつくと、ふーたんがあたしのほうにちょっと身を乗り出すようにしてこそっと訊ねてくる。
「こないよ」
「不審な無言電話とか変なメールとかも?」
「くるわけないじゃん」
そう言うと、ふーたんは残念そうに身を引いた。
「なんだー。じゃぁ、そこまでストーカー度高いわけじゃないんだ」
「どうして残念そうなの?」
じとっとした視線をなげかけると、ふーたんがふはっと楽しげに笑った。
「だっていいじゃん。ジャノンボーイがストーカーなら」
「よくないって。ていうか、その呼び方やめて」
「じゃぁ何て呼べばいいの?仁織くん?」
「そもそも、呼ばなくていいの」
「えー」
しかめっ面のあたしとは対照的に、ふーたんは楽しそうだ。