「え、ジャノンボーイは美姫のストーカーだったの?」

翌日学校で昨日の放課後の話をすると、ふーたんが真ん丸な目を何度も瞬いた。


「知らないよ」

机に肘をつきながら投げやりに言うと、ふーたんが苦笑いする。


「でもさ、美姫の姉弟関係はともかく、好きな食べものとか朝ごはんの好み知ってるとか謎じゃない?家にカメラ仕掛けられてたりして」

「冗談でもそういうこと言わないで」

あからさまに嫌な顔をすると、ふーたんが心配そうに眉を寄せた。


「えー、でもわかんないじゃん」

「ちょっと怖くて家の中調べたけど、そういうのは多分なかった」

気になって弟たちまで使って捜索させたけど、全くそういう気配はなくて。

生意気ざかりなふたりに、「妄想激しすぎ」とバカにするみたいに鼻で笑われた。

よく考えたら、普通の中学生にそんなことが簡単にできるとも思えないし。

また仁織くんに振り回されてたんだと思ったら、ちょっと腹が立った。