「……ごめんなさい」

「美桜ちゃんが謝ることじゃないね」


謝るわたしに、おばさんはにっこりと笑ってうなずいてくれた。


「でも、どうしてお母さんはおばさんに電話するの? 」

「そりゃ娘が心配に決まってるね。でもここで松子さんの思い出に浸る美桜ちゃんを見るのが辛いから来れないんよ」

「……おばあちゃんとお母さんが仲が悪かったことを知っているの? 」


おばさんは目を閉じるとうんとうなずいた。


「お願い、2人がどんな風だったのか教えて」


妙子おばさんの買い物バッグを強引に持つと、わたしは妙子おばさんの家に向かいはじめた。


「まぁ、このままで良いわけないし、美桜ちゃんも分かる年頃になったし話してもいいんかもねぇ……。まぁうちに来んさい」


渋る素振りを見せながら、妙子おばさんはわたしのあとについてきた。