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夢の中でもあたしはベッドの中にいた。


目を開けると真っ白な天井が見える。


その次に見えたのは点滴の袋だった。


あたしは何度も瞬きをしてそれを見つめる。


どうやら点滴の針はあたしの左腕に刺されているようだ。


……なんで?


思い出そうとして見ると急激な頭痛がして、何も考えられなくなってしまう。


記憶を掘り起こす事を体中拒否しているようだ。


体は重たくてピクリとも動かせない。


窮屈さから息苦しさを感じた次の瞬間……フワリと体が浮き上がった感覚がした。


気が付くとあたしは自分の体を見おろしていた。


「え、なんで?」


さっきまで声も出なかったのに、スムーズに言葉が出て来た。


浮いているあたしは、ベッドに横になっているあたしを見おろしている。