☆☆☆

最低の気分だった。


浩志の両親はあたしの自殺未遂を隠ぺいしてしまった。


このままじゃ穂月や司たちの良いように解決してしまうだろう。


たとえあたしが死んだとしても、事故で終わらされるかもしれない。


そう思うとゾッとした。


浩志の家は人の死に方まで左右できてしまうほどの力を持っているのだ。


盲点だった。


浩志がこんなに重要な人物だったなんて思ってもいなかった。


色々と考えてみたところでどうしようもない。


あたしが自分の体で目覚めてくれれば学校内で起こった事をちゃんと説明できるけれど、あたしは今浩志なのだ。


あたしはなんてバカなんだろう。


せめて遺書を残しておくべきだった。


学校内で何が起こったのか、明確に書いておけばよかったんだ。


今更後悔してももう遅く、あたしは下唇を強く噛んだ。