どうしよう。


このままじゃ巻き込まれてしまう。


ジリジリと後ずさりをしてリビングを出ようとした時、後ろに立っていた誰かとぶつかってしまった。


振り向くと、背の高い男があたしを見おろしていた。


司よりも筋肉質で、見下ろされると威圧感がある。


「司、スマホサンキュ」


そう言って緑髪の男がスマホを投げ返して来たので、あたしは慌てて両手を伸ばしてキャッチした。


「誰に連絡したんだよ?」


「そんなのいつもの女に決まってんじゃん」


そう言われても、それが誰なのかわからない。


穂月たちじゃないかと心配し、スマホの履歴を確認した。


そこには見知らぬ女の子の名前が並んでいて、ホッと胸をなで下ろした。