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教室に入るとユメノが頬に絆創膏をして席に座っていた。


いつもはアイドル好きな子たちと一緒になって騒いでいるのに、今日はとてもおとなしい。


あたしはユメノの席の前で思わず立ち止まってしまった。


昨日の事故が大丈夫だったか気になったのだ。


信号は赤に変わったばかりでトラックはスピードを出していなかった。


それを確認した上で歩道へ出たのだが、打ち所が悪かったらどうしようかと心配していた。


「なによ?」


ユメノがあたしに気が付いてそう言って来た。


ムスッとした表情で腕組みをしている。


かなり不機嫌なようだ。


「その絆創膏、どうかしたのか?」


あたしは頬を指さして聞いた。


「あぁ。なんか、昨日目が覚めたら怪我してたから」


「ベッドから落ちたのか?」


そう聞くとユメノは左右に首を振った。


「気が付いたら歩道の上にいたのよ。目の前にはトラックが止まってて、運転手さんが覗き込んでた。それであたしが赤信号で出て来たって言い出したのよ? わけわかんない」


そう言いため息を吐き出す。


「轢かれたんじゃなくて?」