「あぁ。俺は穂月の事をキッパリ諦めたよ」


浩志が残念そうに肩を落とす。


「そうなんだ……？」


「俺がいくらパシリとして働いても、穂月は俺の事なんて見てないもんな。やっと、それがわかったんだ」


「お前の目が覚めたおかげで、俺も司たちから離れる事ができた。本当にホッとしたよ」


天真がそう言うと、浩志は申し訳なさそうに頭をかく。


「巻き込んで悪かった。天真が撮ってくれた写真も全部捨てたんだ」


「それがいい。俺も今度からはちゃんと被写体に許可を撮ってから写真を撮るよ」


そう言うと、２人は肩を並べて教室へと入って行ったのだった。