学校は休みだ。


ユメノは今日何かする予定があるんだろうか？


そう思い、着替えは後回しにしてテーブルに置かれているスマホを手に取った。


画面には今日の予定が表示されている。


｟レッスン！｠


その文字を見たあたしは困り果ててしまった。


どうやら今日は事務所でレッスンがある日らしい。


ユメノが大きな事務所に入ったと自慢げに話していたことを思い出す。


「レッスンって、どうすればいいの……？」


あたしは芸能界のレッスンなんて今まで一度も受けたことがない。


そんなど素人がいきなりレッスンに加わったら怪しまれるに決まっている。


しばらくスマホを片手に立ち尽くしていたあたしだったけれど、真面目にレッスンに参加する必要なんてない事を思い出した。


そうだ。


サボってしまえばいいんだ。


体調が悪いと言って休めばいいんだ。


そう思ってホッとした時だった「ユメノ、起きなさいよ」という女性の声が部屋の外から聞こえて来た。