「やっと…シーズン到来だぁ…アタシの愛しい『肉まん』」
かすかに湯気をあげる白く丸いそれを手に香織は笑顔で、あんぐりと口を開ける。
そして、やや前髪がかかる大きな瞳をキラキラさせ、肩まで伸びる黒髪を揺らして、肉まんを口いっぱいにほおばった。
いま彼女が腰かけているベンチは市のはずれにある総合病院の中庭にあった。
彼女は今、そこに入院している。
中庭を十字に区切る石が敷かれた遊歩道を落ち葉が様々な色で飾っている。
かすかに湯気をあげる白く丸いそれを手に香織は笑顔で、あんぐりと口を開ける。
そして、やや前髪がかかる大きな瞳をキラキラさせ、肩まで伸びる黒髪を揺らして、肉まんを口いっぱいにほおばった。
いま彼女が腰かけているベンチは市のはずれにある総合病院の中庭にあった。
彼女は今、そこに入院している。
中庭を十字に区切る石が敷かれた遊歩道を落ち葉が様々な色で飾っている。