「はい!どうぞ」
香織の声で、病室の扉が開くと、そこには道原がいた。
(え!道原くん!)
「見舞いに来た…」
「あ…ありがとう…麻衣たちは?」
「…いや…今日は俺一人だ。たまたま近くに来る用事があったから…」
一人だと聞いて、ますます香織は困ってしまった。何を話していいのかわからない。
そんな戸惑う香織に道原は
「いきなりでごめん…迷惑だよな…あまり長居はしないから」
「ううん!そんなことないよ!その…なんていうか…」
なんとなく気まずい空気が二人の間を漂い、お互い向かいあって無言のまま、時間だけが流れた。
しかしそのとき、道原は落書きをされた変な顔のP15を見つけてしまった。
「なんだぁ?これ?」
「カオリサンニ・ヤラレマシタ…」
「あ!こら!ピーくん!」
「あははははは」
道原は大きく口を開けて笑った。つられて香織も笑った。
そして、それがきっかけとなって、気まずかった二人の空気が和んだ。
「でも、驚いたな。道原くんが来てくれるなんて」
「ああ、実はな…今日はプレゼントを持ってきたんだ」
道原はそう言うと手にしていた紙袋からラッピングされた包みを取り出して、香織に渡した。
「開けていいの?」
「もちろん!」
その中身は赤に白のストライプが入ったニット帽子。
あの日、道原が被っていたものと同じだ。さらに、それと同じ柄のマフラーもあった。
「この前、ここに来たときに『いいね』って言ってただろ。だから…」
「ありがとう!うれしい!ほんとにありがとう!」
香織は道原からのプレゼントを両手で大事そうに持って言った。
「森村、早く良くなって学校に来いよな」
「うん…」
香織の声で、病室の扉が開くと、そこには道原がいた。
(え!道原くん!)
「見舞いに来た…」
「あ…ありがとう…麻衣たちは?」
「…いや…今日は俺一人だ。たまたま近くに来る用事があったから…」
一人だと聞いて、ますます香織は困ってしまった。何を話していいのかわからない。
そんな戸惑う香織に道原は
「いきなりでごめん…迷惑だよな…あまり長居はしないから」
「ううん!そんなことないよ!その…なんていうか…」
なんとなく気まずい空気が二人の間を漂い、お互い向かいあって無言のまま、時間だけが流れた。
しかしそのとき、道原は落書きをされた変な顔のP15を見つけてしまった。
「なんだぁ?これ?」
「カオリサンニ・ヤラレマシタ…」
「あ!こら!ピーくん!」
「あははははは」
道原は大きく口を開けて笑った。つられて香織も笑った。
そして、それがきっかけとなって、気まずかった二人の空気が和んだ。
「でも、驚いたな。道原くんが来てくれるなんて」
「ああ、実はな…今日はプレゼントを持ってきたんだ」
道原はそう言うと手にしていた紙袋からラッピングされた包みを取り出して、香織に渡した。
「開けていいの?」
「もちろん!」
その中身は赤に白のストライプが入ったニット帽子。
あの日、道原が被っていたものと同じだ。さらに、それと同じ柄のマフラーもあった。
「この前、ここに来たときに『いいね』って言ってただろ。だから…」
「ありがとう!うれしい!ほんとにありがとう!」
香織は道原からのプレゼントを両手で大事そうに持って言った。
「森村、早く良くなって学校に来いよな」
「うん…」