その屋台には行列が出来ていた。


「うそだろ…」


20分は待たないといけなかったと思う。


「列ぼう♪」


そんな事はお構いなしに、藤本はその行列に列ぼうとしていた。


「まぢで?」


坂田も相当嫌がっていたと思う。

確かに、こんな暑い中で列ぼうなんてどうにかしてるよ。


「じゃあ、私が列んどいてあげるよ♪」


以外に優しい一面を見せてくれた藤本に俺は驚いた。



「えっ、でも悪いよ…」


坂田が悪そうに言った。


「いーって、いーって♪2人はあそこの木の下にでも座っといて。」


「でも…」


「だから、いーってば!華しつこいぞっ」


そう藤本が言うと、坂田の頭をコツンと叩いた。


藤本に負けてしまった坂田は、お金を渡すと俺より先に木の下へと行ってしまった。




坂田を追い掛けるように、藤本に礼を言って金を渡すと、俺も木の下へと向かった。