「俺はいいけど、真地は?」
自分が言い終えた涼也は俺の方に顔をむけてきた。
藤本達の方を見てみると、皆が一斉に俺を見ていた。
坂田を見てみると、坂田は俺にまったく目を向けず、屋台を見回っていた。
「俺は…別にいいよ」
「うそっ!」
涼也は以外そうにしていた。
「じゃあ決まりだねっ」
そう藤本が言い出すと、みんなが俺と涼也の所にやってきて、腕を引っ張ったりしてきた。
「どこ行く〜?」
田中が俺に聞いてきた。
そんなの知るかっ
そんな顔をしながら、声は普通通りにして適当に言った。
「なんか食いたいかな…?」
「じゃあ私がおごるよ〜」
やった☆
これが狙いだったりする。
駄目だな〜俺って…
なんて思いながら、喜んでいる俺。
坂田は、俺の後ろで前田と楽しく喋っていた。
声が楽しそうだったから…
チラッと後ろに視線を向けると、坂田のこんなに近くから見た笑顔に胸キュンしてしまった俺は、手を胸に当ててしまった。