今日は、自分が行きたいところへ交互に行ってみるっていうプランらしい。


映画館とか遊園地じゃなくて、街を散策するってことかと思ったから、結構ラフな格好で来てしまった。


クラッシュの入った白いショートパンツにライトブルーのデニムシャツはお気に入りだけど、ハイカットスニーカーに小さめリュックはミスったかもしれない。


ラフすぎ? 私、カジュアルすぎじゃない!?


きょろきょろと、目の前を通る何組ものカップル――主に彼女側の服装と自分の服装を比べるたび、不安が襲う。


せめてインヒールのスニーカーとか、ブーツとか……いやもう遅い! あとの祭りだ! メガネ!? この伊達メガネをとるべき!?


メガネを外す掛けるを繰り返すも、ガラスに映した自分にはかわいいのカの字も思い浮かばない。


変わらねー! メガネかけてもかけなくても私でしかないのが逆にすごい!!


おとなしく来たままの姿で、駅構内の出入り口付近で柊くんを待つ。


ダサいとか地味とか、思われないといいなあ……。


考えだしてもキリがないので、そう気持ちの落としどころを決めたとき。


「ひまりーっ」


びくりと体が跳ねる。