「ねえ、カイ」

「何?」

「明日、見送り行くでしょ?」

「え、行かないよ」

「そうなの?行ってあげればいいのに」

「いいよ別に」


私がそう言うと、お母さんは少し悲しそうな表情をしていた。

・・・やっぱり、行かなきゃだめかな。

私は結衣に相談してみようと思い、電話をかけた。


結衣はお兄ちゃんが留学すると聞くと、すぐに「見送りに行きたい」と言った。

別に、結衣が行きたいのなら行ってくれればいいと思うけど。

それには、私も一緒に行く、というのが条件だった。