自分の部屋に入ると、机の上に置いてあった携帯のランプがまたチカチカと青く点滅していた。


『カイへ。

 お久しぶりです。元気にしてますか?
 俺のことは、気にしないでください。
 あと、カイに1つだけ
 言わなきゃいけないことがあります。
 俺、明日から留学することになった。
 飛行機の時間、一応伝えておきます。
 明日の、午後2時45分です。
 母さんにも、伝えておいてください。
 それじゃあ、お元気で。      悠』


・・・留学かあ。

じゃあもう、ずっと会えなくなるんだ。

それならそれで、別にいいと思った。

いつまでもお兄ちゃんを好きでいたって、仕方ないし。

それにもう、自分の気持ちは伝えたし。

私、頑張ったじゃん。

本当は、ちょっと寂しいけど。

でもやっぱり、私の中でお兄ちゃんはずっと「お兄ちゃん」なわけで

だから、お兄ちゃんと恋人になるとか、そういうのは微妙に罪悪感。

諦める。

私は、そう決めた。