翌日。

佐久間は何事もなかったかのような顔をして、俺の前に現れた。

普段通りの佐久間に、俺も務めて平生を装う。

それから意を決して、佐久間に訊ねることにした。


「なあ、佐久間」

「何だよ。そんな深刻そうな顔して」

「昨日、何の用事だったの」

「え・・・何で?」

「いや、別に。何となく」

「・・・カイちゃんに、会ってきたんだ」


俺は、何と答えようか悩んだ。

佐久間が昨日カイと会っていたことは、初めから知っていたことだろ。

何で、今頃になって動揺してんだよ。