「・・・母さん」

「なあに」

「カイは、このこと――」

「知らないはずよ」

「そっか。・・・で、俺はこれからどうすればいいわけ」

「母さんにそれを決める権利はないわ。悠の好きなようにしなさい」


自分で決めろ、ってか。

まあ確かに、母さんの言っていることは筋が通ってるけど。

とりあえず俺は手に持っていた髪を母さんに返そうとした。

すると母さんは首を横に振り、悠が持ってて、と言った。

俺は仕方なく、その指示に従う。