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大学からの帰り道だった。

今日はどうやら佐久間には予定があるらしく、俺は一人で帰ることになった。

時計を見てみると、文字盤は午後4時を告げていた。


—―カイに会えるかもしれない。


咄嗟に、そう思った。

そう思った瞬間から、俺の足は自然と高校の方に向いていた。


「あれ、望月先輩」

「あー・・・俺の妹見てない?」

「ああ、妹さんならさっき佐久間先輩と—―」

「マジかよ」


俺は一気に落胆した。

まさか、佐久間の「予定」がカイと会うことだったとは。