「え?」 「カイちゃんさ。望月のこと、好きでしょ」 「そんなこと・・・」 そんなこと、ない。 その言葉は、涙に呑まれて言えなかった。 私たちが兄妹なのだという現実を突きつけられてしまうと、やっぱり苦しかった。 お兄ちゃんは、それを「運命」だと言っていたけれど。 そんな運命なんて、尽き果ててしまえばいい。