結衣と別れてから、私はそのまま真っすぐ家に帰った。

前庭には、お兄ちゃんの自転車が置いてあった。

寄り道すれば良かったな、と私は少し後悔する。

玄関のドアを開けると、案の定、そこにはお兄ちゃんの靴があった。

私は家の中に向かって、ただいま、と声を張り上げる。

小学生の頃からの習慣だった。

それから私は自分の部屋へと直行する。