お兄ちゃん、と私はドアの向こうに呼びかける。

返事はすぐに返ってきた。


「何?」

「好きって、どんな気持ち?」

「難しいな。どんなって言われても、一言じゃ表せない」

「苦しくなったり、する?」

「するよ。いつも、すげー苦しい。カイ見てると、自分が嫌になる」

「・・・ごめん」

「カイが謝ることじゃんーじゃん。俺たちが兄妹として生まれたってことは、きっとそういう運命だったんだよ」

「ウンメイ・・・」

「そう、運命。俺がカイに出逢ったのは、きっと必然だったんだって思ってる」

「・・・うん」


やっぱり、好きって苦しいんだ。

私がお兄ちゃんのことを苦しめているのだと思うと、つらかった。

まあ私もお兄ちゃんのせいで苦しんでるわけだから、お互い様なんだけど。