「・・・何でなんだよ、カイ。俺のこと嫌い?」

「嫌いじゃない」

「じゃあ、頼むからこっち向けよ。俺はカイが――」

「無理なんだから、仕方ないじゃん!!何も分かってないくせに!!」


私はそう声を荒げて、リビングを出た。

お兄ちゃんに向かって、あんな風に言ってしまうなんて。

まだ心臓がどきどきしてる。


どうしよう。

それが、頭から離れなかった。

お兄ちゃんは、何も悪くないのに。

何も分かってないのは、私のほうなのに。