だけど、お兄ちゃんを無視するわけにもいかなかった。

私は言われた通り、リビングに入る。

するとお兄ちゃんは私を振り返って、優しく笑った。

・・・お願いだから、もうやめて。

これ以上、私に優しくしないで。

そう思いながら、私は俯いた。

途端にお兄ちゃんの顔から笑みが消えたのが、気配で分かった。