春休みに入って、1週間が経っていた。

それなのに、状況は以前と全く変わっていなかった。

むしろ悪化したのではないかとすら思うくらいだ。


そんなある日、結衣が家に遊びに来ることになった。

もちろん、お兄ちゃんと会うために。

私と遊ぶ、というのはただの口実に過ぎない。


「ねえ、カイ」


私の部屋で、結衣は密やかな声で話しかけてきた。


――あたし、告白しようと思って。