家に着いた。

もちろん、カイはまだ帰ってきていない。

当たり前だ。

自分が置いて帰ってきたのだから。


「あら、悠。おかえり。カイは?」

「さあ。一緒じゃないけど」


本当は知っているくせに、と腹の中で俺は自分に毒づいた。

「一緒じゃない」なんて、よくもまあ平然と言えたものだ。


自分の部屋に向かう途中、カイの部屋のドアが開きっ放しになっていた。

俺はそれを閉めるついでに、机の上にメモを残しておいた。

「ごめん」。

その言葉以外、他に何も思いつかなかった。


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